2024年5月17日、自転車の交通違反に対し反則金を納付させる、いわゆる「交通反則切符(通称:青切符)による取締りの導入を盛り込んだ改正道路交通法が参議院で全会一致で可決・成立しました。
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対象は16歳以上、113の違反項目が対象
今回成立した改正道路交通法は自転車が関係する事故が増加傾向にある中、車やオートバイと同様、交通違反に対して反則金を納付させるいわゆる「青切符」を導入するもので、16歳以上を対象に適用され、113の違反行為が対象となります。
このうち、信号無視や一時不停止、携帯電話を使用しながらの運転など、重大な事故につながるおそれのある違反について重点的な取締りが行われることになります。
また、これまで罰則の対象外だった自転車での酒気帯び運転について3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が設けられました。
青切符による取締りは、公布から2年以内に施行される予定で、今後、反則金の金額などについて政令が定められます。
青切符導入には自転車関係の事故が増加
青切符による反則金制度を導入した背景には自転車が関係する事故が増加していることがあります。
警察庁によりますと日本全国の交通事故発生件数は毎年減少している中、自転車が関係する事故は増加傾向にあります。
現在の自転車の取り締まりの多くは罰則を伴わない専用のカードを使用した「警告」と交通切符である「赤切符」が交付され刑事罰の対象として検察に送られる2種類となっています。
ただし、赤切符で検挙された違反者の多くは起訴されず罰則が適用されるケースはほぼありませんでした。
このため実効性のある取り締まりとして青切符の導入判断となったのでしょう。
青切符の対象と反則金想定
青切符での取り締まりは16歳以上
青切符での取り締まりが適応されるのは16歳以上の利用者とのことです。
理由としては最低限の交通ルールを知っていると考えることと原付免許を取得できる年齢であり、併せて最近話題の殿堂キックボードを運転できる年齢でもあることが考慮されているようです。
また、運用当初は113項目の違反行為の中で重大事故につながる恐れがある以下の違反を重点的に取り締まるそうです。
- ・信号無視
- ・一時不停止
- ・携帯電話使用での運転
- ・自転車通行禁止場所の通行
- ・傘やイヤホンの使用中の運転
等
です。
尚、酒酔い運転や酒気帯び運転などの危険な運転の場合は今まで通りの赤切符が交付され刑事罰の対象となるとのことです。
反則金は5,000円~10,000円程度が想定
青切符による反則金は今後政令で決まりまますが5,000円~10,000円程度になると予測されています。
まずは取り締まりについては通勤通学時間帯や薄暮時等事故が起きやすい時間帯、場所で重点的に行われることが想定されています。
まとめ
物流業界はその拠点の立地上、自転車で通勤している方も多いと思います。
青切符による反則金制度は公布から2年以内に施工されますが、今の段階から是非、従業員・スタッフの皆さんへの周知をするようにしましょう。