企業が安定して成長していくためには会社に所属するスタッフの全員に長く勤めてもらうのが一番ですよね?
ただ、社内のスタッフの数が多ければ多いほどスタッフからの要望やトラブルなどは比例して増えます。
それは社内だけでなく派遣スタッフからも同じです。
今回は派遣スタッフからの要望や苦情が入った際に派遣先企業がどのように対応すべきかを解説いたします。
是非参考にしてください。
目次
派遣スタッフから申し出があった場合
人材派遣というサービスは、派遣元企業・派遣先企業・派遣社員の三者間によって構成されています。そのため一般の直接雇用のスタッフに比べ、人対人・職場環境・労働契約など、さまざまな問題が生じや水環境であるといえます。
何かトラブルが生じた場合には、派遣スタッフから派遣元企業へ、派遣元企業から派遣先企業へと段階を踏まなければなりません。
労働者派遣法でも定められている
派遣スタッフからの要望(苦情)については労働者派遣法大40条1項でも
「誠意をもって、遅滞なく、適切かつ迅速な処理を図らなければならない。」と明確に記載されています。
また、その要望(苦情)の申し出を理由に、派遣元企業への派遣スタッフの交代要求や派遣契約を更新しない等、派遣スタッフの不利益になるような扱いは禁止されています。
派遣元企業と派遣先企業が連携して解決に取り組む
派遣スタッフからの要望(苦情)があった場合、派遣先企業及び派遣元企業は要望(苦情)を速やかに相手方に報告します。
その後、双方が連携を取りながら解決に取り組むことになります。
派遣先企業の対処法/対処の流れ
派遣スタッフの方から派遣先企業へ先に要望(苦情)の申し出があったときはどのような流れで対処すればいいのでしょうか?
実際に要望(苦情)が発生した時では遅いので、今のうちからその流れを確認しておきましょう。
- 派遣スタッフからの要望(苦情)の受付
- 派遣スタッフからの要望(苦情)の内容を派遣元企業との間で連携して対処
- 企業内で案件の責任者/担当者を任命し誠意をもって対処
- 派遣先管理台帳へ経緯を記録
- 派遣スタッフへの報告とフォロー
- 対処終了後、派遣先管理台帳へ記録
派遣スタッフからの要望(苦情)の受付
派遣スタッフの方で要望(苦情)の報告の流れを知っているスタッフは少ないと言ってもいいでしょう。
だからこそ流れが分からず良かれと思って派遣先企業に先に申し出ることもあります。
その際、事務的に派遣元企業への申し出を案内するのではなく、
まずは新味に寄り添って要望(苦情)の内容をしっかりヒアリングし、文書などで形に残すようにしましょう。
派遣スタッフからの要望(苦情)の内容を派遣元企業との間で連携して対処
受け付けた要望(苦情)の内容を派遣元企業に連絡し、双方で問題の解決を図ります。
※この時双方の責任者/担当者を決めておくことをおすすめします。
企業内で責任者/担当者を任命し誠意をもって対処
労働者派遣法の改正により派遣先企業でも就業に関する要望(苦情)には誠実かつ真摯に対応すべきと記載されています。
派遣先企業内でも責任者/担当者を任命しにしっかりと対応していきましょう。
派遣先管理台帳へ経緯を記載
派遣先企業には派遣先管理台帳の作成/保管が義務付けられています。
受け付けた要望(苦情)の責任者/担当者が決まった時点でそれまでの経緯を
派遣先管理台帳の「派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項」という項目に記録しましょう。
派遣スタッフへの報告とフォロー
派遣元企業との連携により問題の解決方針が決まったり、解決に向けての進捗状況をできるだけ逐一派遣スタッフに伝え、フォローするようにしましょう。
(※その際、派遣スタッフに報告した旨を派遣先管理台帳にも記載しましょう)
対処終了後、派遣先管理台帳へ記録
既に逐一記載しているとは思いますが、派遣先管理台帳へ問題の対処完了までを必ず記載するようにしましょう。
派遣先管理台帳への記載について
派遣先企業は管理している派遣先管理台帳に派遣スタッフからの要望(苦情)があった場合、その内容/処理/その結果を記載し、保管・管理するよう義務付けられています。
記載する内容
派遣先管理台帳の「派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項」には以下の項目を記載しなければいけません
- ●要望(苦情)を受け付けた日時
- ●要望(苦情)の内容
- ●要望(苦情)への対処内容
これに加え、できれば受け付けた事案ごとの担当者/責任者の記載や、対処方針を派遣元企業と話し合った日や派遣元の責任者/担当者などできるだけ詳しく記載するほうがいいでしょう。
まとめ:大切なのは3者間の信頼
今回は少しネガティブな内容のコラムですが、一番大切なのは派遣スタッフ/派遣元企業/派遣先企業の3者間が各々、誠心誠意、受け付けた内容に対し向き合い、それを共有し、できるだけ歩み寄った方針のもと対処していくことです。
せっかく働いてくれている派遣スタッフの方なのですからできるだけ長く働きつつ、やりがいを持って働いてほしいですよね。
そのためにも勇気を出してくれた行動・言葉を尊重し、3者間で誠意をもって問題解決に向けて進みましょう。